一般社団法人 情報システム学会
一般社団法人情報システム学会
情報システム
経営情報システム
著者:佐藤 敬
 
 情報システムにいくつかの定義があるように,経営情報システムにもさまざまな定義がある.J.DeardenとF.W.McFarlanは「企業の中に流入し,その中を循環し,その中で発生し,そして企業を出て行く情報,すなわち企業情報を有効に取り扱うための論理的システム」とマクロに捉えている。J.D.Gallagherは「経営者の計画と統制活動のために必要な情報を改善するためのデータ処理およびデータ通信網」と機械的機構に重点を置いた定義をしている。
 また,C.S.Parkerは広義の経営情報システムを「組織の運用に関連したデータや情報を提供するシステム」であると,データと情報を含めた幅の広い定義をした上で,以下の5つのシステムを含むものとしている。

(1)トランザクション処理システム
 受発注データ,給与データなどの事務的なデータ処理をする

(2)情報報告システム
 狭義の経営情報システムとして,管理情報を報告する

(3)オフィスオートメーションシステム
 オフィスにおける事務作業の省力化,自動化などに寄与する

(4)意思決定支援システム
 モデルやデータなどを利用して,意思決定の支援を行う

(5)戦略情報システム
 情報技術(とくにデータベースやネットワーク技術)を利用して,顧客の情報を取り込むことにより,他社との差別化や競争優位などをねらう
佐藤敬(2003)“5.16 情報システム
『情報社会を理解するためのキーワード :2』培風館 [85-95]から出版社の許可を得て転載します。
本稿は,情報システム学会会員である,佐藤敬氏の著作であり,学会の統一見解ではないことをお断りします。
 
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