一般社団法人 情報システム学会
一般社団法人情報システム学会
情報システム
情報システムにおける情報技術の役割
著者:佐藤 敬
 
 情報システムにおける情報技術の役割は大別して2つある。その第1は情報システムの運用・利用の際に,情報システムを構成する機械的機構の中に用いられることである。すなわち,情報を収集・蓄積・処理・伝達・利用する機械的機構を実現するには,コンピュータのハードウエア,ソフトウエア,通信技術などの最新の情報技術が不可欠である。
 第2は情報システムの開発段階において治工具として用いられることである。情報システムは人的機構を不可欠としているから,情報技術の中でもコミュニケーション技術やプレゼンテーション技術のようなソフト的な技術が,情報システムの目的や仕様を決めるための企画段階などにおいて用いられる。さらに情報システムの企画段階ではデータの分析やシミュレーションがコンピュータを利用して行われる。また,情報システムの構築段階ではプログラムの作成に多数の端末やネットワークが使われ,開発プロジェクトの管理のためにはデータベースが活用される。
佐藤敬(2003)“5.16 情報システム
『情報社会を理解するためのキーワード :2』培風館 [85-95]から出版社の許可を得て転載します。
本稿は,情報システム学会会員である,佐藤敬氏の著作であり,学会の統一見解ではないことをお断りします。
 
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