一般社団法人 情報システム学会 代表理事 会長 伊藤 重隆
(みずほ情報総研)
2013年(平成25年)5月18日に開催されました社員総会で推薦され同日開催の理事会で会長に選出されました。当学会の会長という重責を担うことになり身の引き締まる思いでございます。よろしくお願い申し上げます。当学会は歴代の会長のご指導の下、順調に発展して参りました。特に、前杉野会長と理事の皆様並びに関係者の皆様のご尽力で2011年4月に一般社団法人として発足以降、順調に運営されて参りました。この場をお借りして御礼申し上げます。今後、本職務を全力で務め当学会の発展に努める所存です。
「情報社会」、「情報経済」という言葉がマスメディアに登場したのは1970年代の頃と思います。特に「情報社会」は「脱工業社会」、「ポスト産業社会」と言われ大きな変革をもたらすものとして注目を浴びました。現在、社会を概観しますとインターネットの世界的な普及により情報は瞬時に世界をめぐり政治・社会へ大きな影響が生じる場合が多く見られます。日本においては2011年に発生した福島第一原発事故時に住民に必要な情報が伝達されなかった事象も発生し災害時の情報の信頼性も問題が生じました。昨年、政権交代があり、その後に「アベノミックス」が打ち出されその効果で日本の株式市場は株高傾向ですが、同時に株価は特に米系大手機関投資家による大口取引に対する最先端情報システム「アルゴリズム・トレーディングシステム」利用により乱高下が生じていると言われています。
また、毎日の生活を振り返りますと職場、家庭でPC、タブレット型端末、スマートホン、携帯電話が日常的に利用され簡単に情報のやり取り、情報検索が出来る社会となり情報システムは人間活動に欠かせないことが明らかとなっています。
この人間活動に欠かせない重要な情報システムについて現在までに確立された学問体系はありません。学会発足時の理念である「情報システムは人間活動を含む社会的なシステム」である点を念頭に根本的な議論を通じて「情報システム」に関する学問体系を構築して行きたいと考えております。同時にこの学問体系を普及させることにより「情報システムの専門家」を多数育成すると共に、今後の「情報システムのあり方」の基本的な考え方を示し社会の情報システムへの認識向上と継続可能な社会に貢献する学会でありたいと考えております。
さて、2015年は学会設立10周年となります。人間であれば小学校4年生、中学入学を目指して一段の成長が望まれる年齢です。当学会として実務者、研究者の皆様と切磋琢磨し学会の実力を高め成長して行きたいと思います。今年度の全国研究発表大会(2013年11月30日)は新潟で開催します。皆さんの積極的な参加をお待ちしています。論文誌発行、シンポジウム・研究会開催、「社会への提言」の広報、懇話会・「私の主張」の会での討議、新情報システム学体系化調査委員会等の活動を積極的に推進したいと考えております。また、同時にメルマガ、ホームページを通した会員サービス向上を図る予定です。
学会活動について昨年8月に逝去された当学会の生みの親である故浦昭二先生が天からにっこり喜んで頂けるように会長として最大限に努力する所存です。
会員の皆様、是非 ご支援とご協力を頂きたくよろしくお願いします。
2013年(平成25年)5月18日