明けましておめでとうございます。会員の皆様にとって、本年が良い年になりますよう、祈念いたします。
情報システム学会の昨年の主な活動を振り返ってみます。本学会は、昨年5月に社員総会、理事会を開催し、一般社団法人として新たに出発いたしました。同時に法人移行記念として、第4回シンポジウム「災害と情報システム」を開催し、被災現地における生々しい体験を報告していただきました。また、11月に京都の同志社大学において、第7回全国大会・研究発表大会を開催しましたところ、104人の方々が参加され、好評のうちに終了することができました。
日本は、3月11日の東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の水素爆発と炉心溶融、放射能の外部放出を経験し、絶対安全神話、想定外といった言葉の非論理性を再認識しました。現代社会がこれらの巨大災害、過酷事故にどう立ち向かうかということについて、情報システム学の観点からも大いに関心をもっています。本学会では、シンポジウム、社会への提言、全国大会における特別講演などを通して、巨大災害、過酷事故の原因追究、再発防止のための対策についての議論を深めてきました。
また、昨年は、ソニーをはじめとして、防衛産業、政府機関などがサイバー攻撃を受け、個人情報、機密情報などさまざまな情報漏えい事件が発生しました。標的型攻撃に含まれるソーシャルエンジニアリングの巧妙さに引きずり込まれたことが直接の原因のようです。情報社会で生活するには、情報セキュリティ意識を高く維持することが要求されることを思い知らされました。
さて、今年は、次のような目標を掲げて学会の運営に取り組んで行こうと考えています。
・本学会は、さらに公益法人化に向けて、学会としての活動内容の拡充、活動基盤の整備を進めていきます。もちろん、会員数の増加は、活動基盤の整備における大きなテーマです。
・本学会は、情報システム分野における産業界とアカデミアのクロスオーバを大きな特徴として活動してきましたが、最近はアカデミアの方が会員数としてやや優勢になってきているように見受けます。産業界からの学会誌や研究発表大会への論文投稿、研究発表大会、研究会への参加をもっと活発にするための施策に取り組みます。
・「社会への提言」は会員の皆様にご好評いただいています。今後も的確なテーマを選択し、社会への貢献を果たしていきます。
これらの目標の具体的な実行計画については、来年度の活動計画として改めてお知らせ致します。
2012年(平成24年)の干支は壬辰(みずのえたつ)です。それぞれ水と土を意味しており、相剋、衝突する関係の年になるそうですが、昨年(干支は辛卯)ほど大きな衝突ではないそうです。情報システム学会にとっても今年がさらに発展を遂げる年になるよう、会員の皆様のご支援をお願いします。