一般社団法人 情報システム学会
一般社団法人情報システム学会
2013年 杉野隆会長 新年のご挨拶
一般社団法人 情報システム学会 代表理事 会長 杉野 隆
(国士舘大学)
会長の写真
 明けましておめでとうございます。会員の皆様にとって本年が良い年になりますよう,祈念いたします。
 既にご承知のことと思いますが,本学会の創立者である浦昭二先生が昨年8月に逝去されました。84歳でした。情報システムといいますと,新しい情報技術の取り込みと,新しい分野への情報技術の適用などが陸続と展開されるため,とかく目新しいことに目が移り,利用者を置き去りにしてしまいがちです。現在,情報システムはわれわれ人間社会にとって不可欠の人工物であり,環境です。われわれが情報システムといかに付き合っていくかという課題は,「人間中心の情報システム」を実現するための情報システム学を提唱された浦先生がわれわれに残された宿題です。(最近神田の古書店で購入した高橋英俊著『コンピューターへの道』(文藝春秋,1979年刊)にも,情報システムの設計者に最も欠けているのは「人間のためのシステム」だという認識であると書かれていました。)今後も,この宿題を会員の皆様とともに,解決していく所存です。
 昨年は,主な研究活動として,論文誌の年2回を発行し,文教大学湘南校舎における第8回全国大会・研究発表大会,シンポジウム「日本のハイテク産業のパラダイムシフト」などを開催しました。また,会員に学会を身近に感じていただくために,メルマガを毎月発行しています。読み応えのある内容ではないかと自負しております。さらに,研究会,懇話会,私の主張(昨年度新設)という場を提供し,会員相互の活発な議論を支援しています。社会への提言としては,「アレキシサイミア(失感情症)への対応についての提言」,「岐路に立つ組込みソフトウェア開発現場」の2編を発信しました。いずれもいくつかのメディアでも取り上げていただき,提言の社会的意義を実感いたしました。
 さて,本学会は2005年の設立以来正会員会費を4,000円に抑えて運営してまいりましたが,正会員数(現在352名)の伸び悩み,賛助会員数(現在27社)の減少に直面しています。そのため,心苦しいことですが,2013年度に正会員会費を5,000円とする値上げをお願いいたしました。そのうえで,さらに会員サービスを向上させるために,2013年度には次のような目標を掲げて学会の運営に取り組んで行こうと考えています。
 ・本学会は,情報システム分野における産業界とアカデミアのクロスオーバを大きな特徴として活動していますが,最近はアカデミアの方が会員数としてやや優勢になってきています。産業界から学会誌や研究発表大会への論文投稿,研究発表大会,研究会への参加をもっと活発にするための施策に取り組みます。研究発表大会では,優秀論文に対して,ベストプレゼンテーション賞、およびベストプレゼンテーション特別賞を授与し,さらに優れた研究の発表を期待しています。
 ・「社会への提言」は会員の皆様にご好評いただいています。今後も的確なテーマを選択し,社会への貢献を果たしていきます。
 ・情報システム学の体系化の調査研究を継続して行い,その成果を社会に問います。
 これらの目標の具体的な実行計画については,2013年度活動計画として改めてお知らせ致します。
 情報システム学会は,2015年に10周年を迎えます。会員の皆様のご協力を得て,今年も充実した学会活動を実現し,さらに発展を遂げて参ります。会員の皆様のさらなるご支援をお願いします。
2013年(平成25年)1月1日
 
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