一般社団法人 情報システム学会
一般社団法人情報システム学会
概要
 情報システム学会(Information Systems Society of Japan)は,人間中心の情報システムを志向し,ビジネス・研究領域の融合や情報システム人材の育成を目的とした学会です。本学会は、日本学術会議指定した「協力学術研究団体」です。
情報システム学会での“情報システム”の捉え方
“情報システム”は
あなたに優しいものですか?
あなたに有益なものですか?
あなたに何かを強いていませんか?
そして,あなたは“情報システム”を
十分に使いこなしていると実感していますか?
“情報システム”は
人間活動を含む社会的なシステムです。
豊かな情報空間をもたらします。
単なるコンピュータ応用システムではありません。
人間の情報行動を支え,発展に寄与するものです。
組織活動に柔軟と革命を与えるものです。
2025年 砂田薫会長 新年のご挨拶
一般社団法人 情報システム学会
代表理事 会長 砂田薫

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 昨年は年明け早々に能登半島地震が発生しました。1年経過した今も復旧途上にあり、辛い状況のまま新しい年を迎えられた方が少なくないと思います。あらためてお見舞い申し上げます。

 この1年間を通じて考えさせられたことは3つあります。
 一番目は、大規模災害の発生時、被災者のための情報システムとは何かでした。今年度の浦昭二記念賞実践賞を受賞したサイボウズ株式会社には災害支援チームがあります。チームでは大規模災害の発災直後にリーダーが現地入りし、メンバーはデータ入力などの後方支援体制を組んで、IT 支援のボランティア活動を行ってきました。能登地震の時も、自主避難所や孤立集落を正確に把握し、そこで必要とされる物資情報を地図上にプロットする「ニーズ管理システム」を開発して、自衛隊との共同運用を実現させました。被災地では、たとえ情報通信インフラの問題が解消されたとしても、正誤の情報が錯そうする、どれが最新の更新情報なのかわからなくなる、時間の経過とともに被災者のニーズも求められる情報システムも変わる、そもそもデータ入力の人手を行政組織内で確保できないなど問題が山積します。被災者すなわち住民のケアや生活支援をできるだけ迅速に行うために、情報システムにおいても日常時と非常時の区別をしない「フェーズフリー」の考え方を導入すべき時期にきているかもしれません。

 一番目は、大規模災害の発生時、被災者のための情報システムとは何かでした。今年度の浦昭二記念賞実践賞を受賞したサイボウズ株式会社には災害支援チームがあります。チームでは大規模災害の発災直後にリーダーが現地入りし、メンバーはデータ入力などの後方支援体制を組んで、IT 支援のボランティア活動を行ってきました。能登地震の時も、自主避難所や孤立集落を正確に把握し、そこで必要とされる物資情報を地図上にプロットする「ニーズ管理システム」を開発して、自衛隊との共同運用を実現させました。被災地では、たとえ情報通信インフラの問題が解消されたとしても、正誤の情報が錯そうする、どれが最新の更新情報なのかわからなくなる、時間の経過とともに被災者のニーズも求められる情報システムも変わる、そもそもデータ入力の人手を行政組織内で確保できないなど問題が山積します。被災者すなわち住民のケアや生活支援をできるだけ迅速に行うために、情報システムにおいても日常時と非常時の区別をしない「フェーズフリー」の考え方を導入すべき時期にきているかもしれません。

 三番目は生成 AI です。昨年の新年挨拶では「2023 年は生成 AI に明け暮れた1年」だったと述べました。さらに1年経過して「2024 年は生成 AI がさまざまな分野に浸透していった1年」だったと言えるでしょう。私自身、ほぼ毎日 ChatGPT を使うようになりました。調べものではグーグルの検索エンジンを使っていたのですが、最近は ChatGPT やPerplexity にまず質問してみて、その回答で自分の知らないことが出てきたり疑問に感じたりする場合に検索エンジンで再確認することも増えました。調べもの以外でも、何か新しいアイデアや論点をみつけたいときにも生成 AI は役立っています。新たな技術の利用によって「自分の情報システム」がこの1年で大きく変わったことを実感しています。

最後になりましたが、今年も皆様と一緒に楽しく実りある学会活動にしたいと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。


以上
2025年(令和7年)1月1日

 
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