今日において情報システムは、社会活動にとって不可欠な存在になっているが、わが国ではこれまで情報システムを専門的に扱う学会は存在しなかった。学問として情報システムを取り上げ、情報システム学の確立を目指す本学会は、工学、社会科学、実践といった個別の側面からだけではなく、人間の社会活動などに関わるホーリスティックな取り組みとしても活動していく。
本学会は、この視点から、
(1) 情報システム学の体系化と啓発活動
(2) 情報システムの構築・活用に関する経験の蓄積と共有およびその研究
(3) 個人、組織を取り巻く情報環境(情報文化、生圏倫理学等)に関する研究
(4) 情報システム人材の育成
(5) 経営管理者に対する情報システム啓発活動
(6) 情報システムに関する研究成果・事例報告の場の提供
を研究領域として活動を行っていく。
なお、学会運営においては、情報技術を極力活用し、規模を求めず、スリムな活動を追求し、「スピーディ、タイムリ、柔軟に」活動する。学界、実業界のニーズを的確に把握し、会員への還元に努め、また社会に対して発信していく。
1.基本的な活動
本学会の基本的な活動方針を述べる。
1) 広報・総務活動
(1) 学会運営の基本方針
"情報システムを、人間活動を含む社会システムと広く捉えることの必要性"を内外に広く広報し、これに賛同する多くの研究者、実務家、利用者が積極的に参加し、議論・発表を行い、成果を享受できる学会運営を目指す。
(2) 会員、社会とのコミュニケーション
学会Webサイトやメールマガジンなどを組み合わせ、速報性、双方向性を生かした運営を基本とする。
学会Webサイトでは、学会の活動状況を適時公開し、広報媒体として活用する。
意見交換の場、Knowledge Base、News around the World、会員の学会への意見・問い合わせ、人材募集といった、会員にとって有用と思われる情報を相互交換するために、適宜メールマガジンとして会員向けに『ISSJニュース』(英文名:ISSJ News)を発行する。
2) 研究活動
(1) 学会誌『情報システム』(英文名:Information Systems)の発行
学会誌も電子ジャーナルの形で発行することにより、論文発表までの時間短縮を実現するとともに、印刷費を抑制し、廉価な会費を維持する。
学会誌では、論文、事例研究、論説、総合報告、ニュース、論文紹介・書評などを掲載し、会員の研究活動、情報収集に貢献できることを目指す。とくに、本学会は、企業などの組織体における情報システムの開発・運用などの事例研究を積極的に取り上げる。
(2) 研究発表大会の開催
年1回開催する。開催場所を中心に実行委員会を組織し、具体的な実施内容の検討を行う。予稿集もWebベースとし、紙形式での刊行は行わない。
(3) 研究会活動
会員を中心とした自主的な運営により、本学会の趣旨に沿った研究活動を行う。
メールマガジン、Webサイトなどによって公募し、理事会の承認によって発足する。期間は2年間+延長1年間とする。
活動費として年間5万円を補助し、毎年度末に理事会に会計報告することと、活動成果報告を義務付ける。研究成果を、Webサイトに適宜速報として掲載するとともに、研究発表大会又は学会誌で報告するものとする。
3)普及活動
研究発表大会、研究会の開催、さらに、内外の学協会との交流を通して、情報システム学の普及活動を進める。
学会活動への積極的参加が少なかった実務家の方々の参加を促すために、業界団体、システムインテグレータのユーザ会などと連携し、講演会、セミナ、シンポジウムなど企画する。企業の情報システム開発、運用、利用現場と学会との情報交換により、情報システム学の普及に努める。
2.今年度の活動
情報システム学会は、2005年4月23日に設立されたばかりであり、今年度の活動の基本を学会の基礎固めと位置づける。
1)学会活動の基盤固め(定款第3条1項4号)
発足したばかりの学会であり、会員数の増加を図ることが当面の重点活動事項である。また、広報手段としてWebサイトを充実させ、メールマガジンを開設する。
2)研究発表大会(定款第3条1項1号)
研究発表大会を秋に1回開催する。
・期日:11月26日(土)
・場所:交渉中
・特別テーマ:未定
3)研究会(定款第3条1項1号)
Webサイトなどを通して公募し、早急に研究会を発足させる。
4)学会誌等の発行(定款第3条1項2号)
(1) 学会誌『情報システム』(2回。電子ジャーナルとして発行)
(2) 研究発表大会予稿集(1回。電子ジャーナルとして発行)
(3) 『ISSJニュース』(適宜。電子ジャーナルとして発行)
5)講演会(定款第3条1項3号)
設立総会に合わせて、記念講演会を開催する。
研究発表大会に合わせて11月に開催する。
6)普及活動(定款第3条1項4号)
具体的な活動内容については、今後検討する。