情報システム学会 メールマガジン 2011.10.25 No.06-07 [5]

連載 著作権と情報システム
第31回 文化庁案 著作権審議会第六小委員会中間報告(23)

司法書士/駒澤大学 田沼 浩

1.著作物

[3] 文化庁案「著作権審議会第六小委員会(コンピュータ・ソフトウェア関係)
       中間報告」(23)

「中間報告の結論」著作権法におけるコンピュータ・ソフトウェアの保護の問題に関する対策
1. プログラムの保護の明確化
 プログラムは著作物であり、これを明確にするために、著作権法第10条の著作物の例示規定にプログラムを明示すべきである。そして、プログラムの定義規定を設けることを検討すべきである。
 中間報告に沿って、これまで曖昧だったプログラムを著作権法の適用を明確にさせるため、例示規定に新たに加えると共に、曖昧だったプログラムの概念を明確にするため、プログラムに関する用語を定義する規定を置くことになった。
 昭和61年6月14日法律第62号により、著作権法第10条第1項第9号に「プログラムの著作物」が、同条第3項に用語の定義が設けられた。

著作権法第10条
第1項
第9号 九 プログラムの著作物
第3項 第1項第9号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
一 プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
二 規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
三 解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。

引用・参照文献
著作権法概説第13版、半田正夫著、法学書院、2007年
著作権法、中山信弘著、有斐閣、2007年
ソフトウェアの法的保護(新版)、中山信弘著、有斐閣、1992年
岩波講座 現代の法10 情報と法、岩村正彦、碓井光明、江崎崇、落合誠一、鎌田薫、来生新、小早川光郎、菅野和夫、高橋和之、田中成明、中山信弘、西野典之、最上敏樹編、岩波書店、1997年