情報システム学会 メールマガジン 2010.1.25 No.04-10 [5]

第5回 情報システム学会 全国大会・研究発表大会 活動報告

大会実行委員長 宮川 裕之

 情報システム学会の第5回 全国大会・研究発表大会が,青山学院大学青山キャンパスにおいて,2009年12月6日(日)に,「社会情報と人間活動の深層構造を探る」というテーマで開催されました.研究発表は49件の申込がありました.また,大会参加者は193名で,内訳は正規参加者111名,開催校学生(青山学院大学,文教大学)82名でした.

 大会プログラムは,午前の研究発表,午後の特別講演,研究発表ならびに若手研究者向け企画,大会終了後の懇親会というスケジュールで進みました.
 特別講演は,「脳科学とニューロインフォマティクス技術」をテーマとして臼井支朗氏(理化学研究所脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター長)によるご講演と「携帯端末と関連サービスの将来像」をテーマとして松本徹三氏(ソフトバンクモバイル株式会社 取締役副社長)によるご講演を頂きました.

 「脳科学とニューロインフォマティクス技術」では,脳神経科学と情報科学・技術を融合することで脳のシステム的理解を推進する先端研究であるニューロインフォマティクスの概念や海外状況などについてご紹介頂き,あわせて,その研究成果の一つであるXooNIps(インターネット上で多様なデータの共有を図るニューロインフォマティクスのための基盤システム,http://xoonips.sourceforge.jp/)についてご講演いただきました.

 「携帯端末と関連サービスの将来像」では,国内外の携帯端末市場の状況と将来動向,いわゆるスマートフォンの出現によりインターネット利用がPCから携帯端末に移行する傾向が加速している中で,携帯端末や携帯通信システムの技術開発の将来展開や新たなビジネスモデルの必要性などについてご講演いただきました.

 研究発表は,午前5セッション,特別講演を挟んで午後5セッション開催されました.各セッションのテーマは,「システム開発と情報の品質」,「集合知」,「ソフトウェア開発」,「ナレッジ・マネジメント」,「人材育成」,「情報教育」,「情報デザインと情報意味」,「社会システム」,「ビジネスと情報システム」,「業務プロセスと情報システム」としました.発表者の産学の内訳は,大学関係者による発表が29件,企業からの発表が15回,産学協同の発表が5件でした.

 今回の大会では若手研究者向けの企画を特別セッションとして新設しました.「語り合おうテーマと方法と−次世代をになう研究者たちへ−」というテーマ名が示すとおり,若手研究者や大学院生を対象として,チューター役の研究者とともに研究テーマや研究方法などについての自由な議論を企図したものです.長年にわたり情報システム領域の研究と教育に携わってこられた小幡孝一郎先生と神沼靖子先生にチューター役をお願いしました.十数名の本セッション参加者のほとんどは,情報システム領域で研究活動をされている方ではありませんでしたが,本セッションの議論をとおして,自らの研究と情報システム研究との関連についての気づきを与えられたとの感想を頂いています.

 最後になりましたが,本大会で協賛して頂きました経営情報学会,情報処理学会・情報システムと社会環境研究会,情報サービス産業協会,日本情報システム・ユーザ協会の各団体には大会広報についてのご協力をいただきました.また,今大会では協賛企業という形で開催趣旨にご賛同頂いた企業からの寄附をいただきました.協賛企業は株式会社朝日ネット,三和コムテック株式会社,株式会社システムフロンティア,日本電気株式会社,株式会社ハイマックス,株式会社日立製作所,日立電子サービス株式会社,株式会社プライドです.加えて,今大会ではソフトバンクモバイル株式会社からiPhoneを無償で提供していただき,各研究発表会場においてiPhoneを利用した予稿集閲覧などが可能となりました.インフォテリア株式会社からはiPhoneでの予稿集閲覧のためのソフトウェアであるHandbookを無償で提供していただきました.本大会の開催にご支援頂いたこれら企業・学協会団体の皆様,大会の開催に向けてご協力をいただきました青山学院大学ならびに文教大学の関係者の皆様,理事の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます.

 なお,大会の詳細は以下のURLを参照ください.
 http://www.issj.net/conf/issj2009/