近年,情報系の人材教育についての議論が活発に展開されている。実践的ソフトウェア教育コンソーシアム(鶴保征城会長)の神沼靖子副会長(本学会理事)が編著者となってまとめた本書は「実践的な問題解決能力をいかに養うか」という問題意識を出発点として,教師のスキル向上を目的に教育方法論を研究しなおし,教師の使命を果たせる「教育デザイン」の重要性を指摘している。実践的なソフトウェアエンジニアリング教育を行うには,教員自らが教育方法を学んで,新たな方法を生み出していく必要がある。 そのために近年,ファカルティ・ディベロップメント(FD)への関心が高まっているが,本書は,FDの進め方や実践例を解説し,大学教員にとって貴重な情報源となっている。
<目次>
第一部 実践的な教育デザインの要
第1章 継続的な教育の展開を目指す
第2章 教育の目標を達成するための"教育分析のすすめ"
第3章 教育のプロセスは多様"目指すのは何の設計か"
第4章 教育は"どのように実施し評価するのか"
第二部 インストラクショナルデザインとFDプログラムの実施
第5章 公開授業を取り入れた
第6章 FD参加者の活動
第7章 評価基準の設定
第8章 FDプログラム終了後の参加者の活動
第三部 FDプログラム実施のための資料
資料1 FD参加者の気づきと変化例
資料2 データで見るFD参加者のスキルの変化例
資料3 書式例