情報システム学会 メールマガジン 2007.9.1 No.02-05 [3]

第3回ISSJロードマップ討議について

企画担当理事 杉野 隆

 本学会の運営方策について議論し,今後の方針,工程を定めるために,ロードマップ討議を随時行っています。上野副会長の司会のもとに、昨年度は2回行いましたが,本年8月11日に,理事,会員有志16名が集まって,第3回のロードマップ討議を行いました。今回のテーマは,

 (1)学会定款の第2条(学会の目的)の見直し
 (2)学会と社会とのかかわり方について
 (3)情報システムに関する認識
の3点でした。

 まず(1)について,現行の定款第2条には,「本会は全国の情報システムに関連ある部門の研究者ならびに情報システムを扱う実務経験者および学生を会員とし,会員相互の連携と研究の促進を目的とする。」と示されていますが,情報システム学会の特徴を反映した記述に変えるべきだとの意見が理事会で出され,検討することになりました。

 定款に前文を設け,学会の理念,情報システム学の確立,発展のために学会の果たすべき役割などについて記述する。学会の理念としては,情報システム学の構築,産官学民の協力,新たな倫理の徳目の創出などを含めてはどうかという意見がありました。しかし,成案を得るにはもう少し時間を要します。

 本学会は,産業界との実践的な協力関係継続を活動の柱としています。昨年12月には,東証証券取引システムの障害に関して提言しました。その後も,さまざまなシステム障害が発生しています。東証の場合と同様に,これらのシステム障害を続発させないための本質的な提言を社会に向けて行うことは,情報システム学会と社会とのかかわりを深める,重要な社会的貢献であると思います。この視点については,(2)の課題に含まれます。これらの課題の根源には,本学会の対象とする「情報システム」とは何か,「情報システム学」とはどのような概念の学問なのか,という基本的な課題認識があります。これが(3)に関わる課題です。

 今回の討議ではまだ結論は出ていませんが,今後更に議論を深め,修正案をまとめ,来年の総会に諮る予定です。

 会員の皆様からもご意見をいただけると幸いです。
  −−>sugino■kokushikan.ac.jp 宛てにご意見をお寄せください。