さる7月11日(土)慶応義塾大学日吉キャンパスにおいて、第2回シンポジウムを開催しましたので、報告いたします。今回は人材育成がテーマでした。参加していただいた方々のご協力も得て、お陰様で議論は会場と一体になり、非常に盛り上がりました。
講演概要につきましては、本学会Webサイトに講演要旨とスライドが事前に掲載されておりますので、主に感想を述べさせていただきます。
男性優位の中で近代科学と産業組織は、「システム化」思考のみを重視してきたが、女性脳が持っている「心の中で相手と対話ができる」という面も非常に重要であるという点が印象に残りました。10年ほど前に「話を聞かない男、地図の読めない女」を原著で読みましたが、その内容を思い浮かべながら聞いておりました。佐伯先生のお話は、いつ聞いても、なるほどと思う内容を豊富に取り揃えておられます。
人材育成委員会メンバーがまとめ、平成18年度末に出された報告書「情報システム分野における人材育成への取り組みの基本的考え方について」で、小林様は中心的な役割を果たされました。正直やや難解だったのですが、今回はいろいろな例を引き合いに出されて、論理的思考力とコミュニケーション能力の重要性をわかりやすく述べられました。
多彩な教育経験から人材育成のあり方について述べられました。正確でなくてもわかりやすい例を示すことは、導入教育では重要であると感じました。また、新しい国家試験である「ITパスポート試験」の状況を踏まえ、本学会でも漢検のような「情報システム検定」を実施したらどうかという提言を受けました。
議論が抽象的な内容に終わらないために、自らシステム開発されている岩崎様にモデレータをお願いしました。岩崎様のお陰で、2時間以上にわたり高校の先生・大学の先生・企業の人材育成のキーパーソンからそれぞれの立場のご意見をうまく引き出されて、参加者とパネリストが一体となり、議論が大いに盛り上がりました。高校の先生から情熱を持って教科「情報」を教えているという発言があり、勇気づけられた思いがしました。
以上、断片的な印象をお伝えいたしましたが、参加された方々にはご満足いただけたのではないかと思います。竹並会長のご挨拶にもある通り、人材育成が学会の大きな柱になっております。しかしながら、一朝一夕でできるものではありません。今回出された御意見やアイデアを本学会の研究会活動などを通じて具現化されることを切に望んでおります。
最後にこの場をお借りしまして、関係者の方々にお礼を申し上げます。また基調講演者は通常2時間程度だと思いますが、佐伯先生には6時間もの長きにわたりお時間をいただき、有難うございました。
(御参考)
シンポジュウム参加者:運営を手伝っていただいた学生さんを含めて50名、懇親会参加者:32名
以上