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             情報システム学会 メールマガジン
                 2007.3.25 No.01-07
目次
[1] 理事が語る (小幡 孝一郎)
[2] 第23回理事会報告(2007.3.17)
[3] 役員改選についてのお知らせ
[4] 人材育成調査研究委員会より
[5] メルマガのアンケート調査のお願い

<編集委員会からのお願い>
 ISSJメルマガへの会員の皆様からの会員コラムへの寄稿をお待ちしていま
す。情報システムの実践,理論などに関するさまざまなご意見をお気軽にお
寄せください。
 また,会員組織による人材募集やカンファレンス,セミナー情報,新書の
紹介など,会員の皆様に役立つ情報もお知らせください。
 宛先は−−>メルマガ編集委員会(issj-magazine■issj.net)です。

 今回,本メルマガの末尾にアンケートを載せていますのでご協力をお願い
します。
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[1] 理事が語る  理事 小幡孝一郎

 2年前に文教大学情報学部の教員を退職した小幡です。

 私は理事会内の人選で,今回初めて実施される役員改選のための選挙管理
委員長を拝命しました。しかし,学会ホームページでご承知のように,推薦
を受けた候補者の数が改選対象役員の定数を超えなかったため,予定されて
いた投票は実施されないことになりました。
 もう少し詳しく説明しますと,役員の候補者には,一般の会員から推薦を
受けた「一般推薦候補者」と,理事会の推薦を受けた「理事会推薦候補者」
の2種類あるのですが,今回は一般推薦候補者が皆無で,全員が理事会推薦
候補者ということでした。
 どうしてこういうことになったのか,選挙管理委員会内部でいろいろと憶
測しておりますが,根本的な原因は,この学会が未だ一つの独立したコミュ
ニティになり得ていない,というところに帰着するのではないでしょうか。
さらにその背景として,プライバシー保護の観点から会員名簿が配布されて
いない,ということもあるでしょう。我々理事も過去2回の研究発表大会で
発表された方々しか,会員の名前を知り得ません。
 私は個人的には,プライバシーとセキュリティを確保できる何らかの条件
をつけた上で,会員名簿を配布したほうがいいのではないか,と考えており
ます。しかしこれはコミュニティが形成されるための,いわばインフラの一
つに過ぎなくて,学会である以上,お互いの研究活動を通じて知り合ってい
く,というのが本筋であると思われます。そういう意味で,堀内理事が前回
のメルマガで提案されたことは,誠に当を得たものといえます。

 それではおまえの関心は今どこにあるのか,と聞かれると思いますので,
簡単にご紹介いたします。私の関心領域は「情報システムの評価」です。
 10年ほど前に,経営情報学会の中にある小さな研究部会の仲間と一緒に
「情報システムの評価に関する独自の枠組みを作る」という途方もない目標
を立てました。そのために,その時点で公表されていた情報システムの評価
に関する文献をみんなで手分けして調べました。その途中で,一つの文献が
我々の関心を引きつけました。それはCSCW(協調作業支援システム)の
評価を取り扱うものでしたが,我々がこれに着目したのは,著者が次のよう
に主張していたからです。
(1)技術だけでなく,組織的乃至社会的な視点からCSCWを捉えるべき
である。
(2)評価に関して,情報システムだけでなく,教育や社会改革プログラム
までも対象とする方法論を広くレビューした結果,そのほとんどが上記の視
点からCSCWを評価するのに適切でない。具体的には;
2.1 合理主義の視点から,あらゆる状況に対応できるOne Best Wayを求
めている
2.2 情報システムを組織のマネジメントまたは設計者の視点だけから捉
えている

 さらにこの著者は,様々な評価に関する主張の中で,自分の考えに極めて
近いものがあるとして,それを次のように紹介しています。
「彼らは,異なる視点を持つ(改革プログラムに対する)様々な関係者を,
どのようにマネジメントし,統合していくかに特に関心を持っている。これ
はこの仕事にとって極めて重要である。そのために評価にとって必要な方法
論は,定性的であるだけでなく,陽に解釈学的でなくてはならない,と述べ
ている。」
 私たちは,いわば彼の推薦を受けて,この本を読むことにしました。この
本の評価対象は情報システムではなくて,教育改革プログラムだったのです
か,第4世代評価と呼ばれるその方法論は情報システムに対しても十分通用す
る筈である,と考えるに至りました。それは,次のような理由からです。
(1)改革プログラムを評価する目的の一つは,評価者に対して,そのプロ
グラムに関する情報を提供することである。従来のアプローチはこれに止まっ
ていたが,第4世代評価ではそれだけでなく,改革プログラムの影響を受ける
全ての関係者が,評価結果に基づいてそれぞれ適切な行動を取るようになる
ことを目指している,という意味でこれは問題解決指向の評価方法論である。
(2)組織において情報システムを開発し,それを活用することは,ある種
の改革プログラムを導入することだといえる。従ってそこに問題解決指向の
アプローチを適用するのは極めて自然である。
(3)評価に関する従来のアプローチがこのような指向を取り得ないのは,
それが伝統的なパラダイムに執着しているからであることを示し,それに代
わる新しいパラダイムと,それに基づくアプローチを詳しく説明している。

 残念なことに,我々は未だ具体的な成果物を生み出していませんが,それ
を目指して今も細々と活動を続けております。
 今後もどうか宜しくお願い致します。

html版は http://www.issj.net/mm/mm0107/0107-1-rk-ko.html
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[2] 第23回理事会報告(2007.3.17)

 月次に開催されている理事会の今回の議題は次の通りです。

議題1 入会会員の承認
議題2 役員選挙について
議題3 2007年度総会について
議題4 2007年度活動報告および2007年度活動計画
議題5 2007年度研究発表大会(全国大会)
議題6 新規研究会登録および研究会規定の改定
議題7 研究会予算超過の処理について
議題8 日経コンピュータ表彰制度への対応
議題9 情報処理学会シンポジウムの協賛について
議題10 Web(NOMORI)活用に関する提案
議題11 その他

 詳細はこちら
 → http://www.issj.net/gaiyou/rijikai.html
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[3] 役員改選についてのお知らせ

 3月11日に学会選挙管理委員会からの電子メールで,役員候補者の推薦結
果について公示され,候補者が改選数を超えなかったため選挙は行わないこ
とが通知されました。
 その結果,次の通り,理事会推薦による会長候補1名と理事候補7名が決
定いたしました。5月19日に行われる総会に議案として提出されます。

 また,次年度役員の中には,今回の候補者推薦届の提出結果と関係なく選
出される役職があります。これに関しては,学会Webページにある定款及び
役員選出規定をご覧下さい。

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■会長候補の紹介
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氏名:北城 恪太郎 (理事会推薦による)
日本アイ・ビー・エム株式会社代表取締役会長,経済同友会代表幹事
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■理事候補の紹介(あいうえお順)
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氏名:魚田 勝臣 (2年間の理事任期満了に際し,理事会推薦による)
専修大学経営学部教授
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氏名:神沼 靖子 (2年間の理事任期満了に際し,理事会推薦による)
情報システムカリキュラム検討(J07プロジェクト),ITスキル標準改訂委員会,
経済産業省の人材育成ワーキンググループなどのメンバー
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氏名:砂田 薫 (理事会推薦による)
国際大学グローバルコミュニケーションセンター主任研究員/助教授
------------------------------------------------------------
氏名:中嶋 聞多 (理事会推薦による)
信州大学人文学部教授,信州大学学長補佐
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氏名:堀内 一 (2年間の理事任期満了に際し,理事会推薦による)
東京国際大学商学部教授
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氏名:松平 和也 (理事会推薦による)
株式会社プライド創業者取締役
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氏名:山口 高平 (理事会推薦による)
慶應義塾大学理工学部教授
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[4] 人材育成調査研究委員会より

 3月17日に開催された第二回ロードマップ検討会において,人材育成調査
研究委員会のこれまで活動概要を報告し,今後の活動方針について討議しま
した。
 この委員会では,情報システムを,「個人・組織・社会が情報をどのよう
に取り扱うか」という情報行動のあり方にまで拡げて広義に定義しました。
また,21世紀の社会は,個人・組織・社会の活動が一層グローバル化するた
め,歴史や文化・民族・宗教的背景を異にする人々のフラットな交流が促進
される,情報環境はインターネットのサイバー空間にまで拡張されるという
認識に立ちます。
 日本の情報システム分野は,3K職場,技術者が要件定義を書けない,シス
テム障害が頻発するといったさまざまな課題を抱えていますが,その背後に
ある本質的な課題は,「論理的思考とコミュニケーション」能力の不足です。
しかし,この能力は,情報システム分野に限らず,21世紀に身をおくすべて
の人々に必須な基本的能力であろうと考えます。さらに,この能力を発揮す
るための基礎的なスキルは言語技術(language arts)であり,言語技術の
訓練によって始めて「論理的思考とコミュニケーション」能力も向上するの
であろう。人材育成の基本は,この能力,スキルの育成にあるとの結論に達
しました。
 このような基本的な課題認識に立って,当委員会は,今後具体的な施策の
立案と活動に着手する予定です。これまでの2回の研究発表大会でも,人材
育成に関して熱心な議論がなされました。これらの議論に参加された学会会
員の皆様が,人材育成委員会(現,人材育成調査研究委員会)に積極的に参
加してくださるようお願いします。
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[5] メルマガのアンケート調査のお願い

 ISSJメルマガをよりよいものにするために,アンケートにご協力くださ
い。下記アンケートにご回答の上,下記の必要な部分をメール本文に「コ
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にご送信ください。

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    理事会報告
    人材育成調査研究委員会報告
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   ご自由にお書きください。

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 以上です。ご協力をありがとうございます。
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するものではありません。

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