情報システム学会誌第20巻　第1号

［巻頭言］

情報爆発の時代と倫理
―持続可能な未来のための情報システム学―

i-iii

［研究論文］

著者: 小川和也，松原仁
表紙: pdf
要旨: 消費者が最適な商品を選ぶためには,情報収集や購入決定に必要な情報処理が複雑であり,現行の宣伝や商品情報提供方法だけでは不十分な状況がある.また,消費者は一般的に未経験の商品に興味を持ちにくく,その結果,自分にとって有益な商品が見過ごされる可能性がある.そこで,本論文では,消費者が興味のない商品情報に触れ，適切な商品選択を行えるように消費行動の支援をし，行動変容を促すことを目的に，新しい情報システムを提案する.本論文の新奇性は，行動経済学で提唱されているナッジ，ブーストに報酬の理論を適用した独自のゲーミフィケーションによる消費行動支援システムを提案し，その効果を示すことにある．具体的には，開発した当システムの実証実験により，消費者が元々は興味のなかった商品であっても関心を持ち，購入するようになる効果を明示する．

1-14

［第19回情報システム学会　全国大会・研究発表大会基調講演］

15-28