一般社団法人 情報システム学会
一般社団法人情報システム学会
psytech研究会
 IS技術者のやりがい感や自己効力感の低下についての問題が指摘され、ポジティブな側面での心理的支援への関心やニーズが高まっている。本研究会では、IS技術者を対象とした心理的支援(psytech) (*1)について、プロジェクトマネジメントを構成するプロセスの1つである「メンタルプロセス・マネジメント」(*2)のための情報システムモデルを検討する。
過去の研究会活動(*3)、およびPsytech研究会の成果である“理想の実現”パターンを用いた、メンタルプロセスのPDCAをプロジェクトで実践することを想定した研究を推進する。これにより、ポジティブメンタルヘルスの観点からIS技術者のwell-being(精神的健康)を実現することを目指す。


*1)psytech
:情報技術を使った心理的支援。心理学を意味する“psychology”と、 技術を意味する“technology”を組み合わせた造語。
*2)メンタルプロセス・マネジメント
:「情報システム学 情報システム学会新情報システム学体系調査研究委員会編」(2023)において、プロジェクトマネジメントの機能、役割を構成するプロセスとして、従来の「プロジェクトマネジメント・プロセス」および「ソフトウェア・エンジニアリング・プロセス」に加えて、「プロジェクト・メンタル・プロセス」が重要であると示されている。
*3)過去に行った研究会活動:
IS技術者のためのPsytech研究会(2017年度〜2019年度)
IS技術者のためのPsytech2020研究会(2020年度〜2022年度)


研究会の成果物:“理想の実現”パターン
“理想の実現”パターンは卓越したISマネージャ(システムインテグレータで働くプロジェクトマネージャー)の経験則を元に作成した。当学会のメルマガ連載「プロマネの現場から」(著者:蒼海憲治氏)から、ISマネージャとしての現場での経験知、特にプロジェクトメンバの活性化に役立つものを抽出した。
利用者の対象としてISマネージャやISマネージャと共に働くIS技術者を想定した。パターン・ランゲージの目標は人や組織との関係において、ISマネージャの心の負担感を軽くし、「心のありよう」が楽になり、そしてこのことがプロジェクトメンバの活性化につながるようにすることである。
困難なプロジェクトにおいて“理想の実現”パターンを用いた対話により、ISマネージャの心の内面にパターンと同じような状況を再現し、楽になったと感じると同時に失敗事例も貴重であると考え成功への手がかりとできると感じるなど、やりがいが醸成される可能性がある。
パターンのカテゴリは、従業員満足向上のための規格あるESO(Employee Satisfaction Oriented : ESO)行動規範 :JSA-S1001 ヒューマンリソースマネジメント -従業員満足- 組織における行動規範のための指針 一般財団法人日本規格協会(2018)のカテゴリを踏襲している。また「こころの資本(Psycap)」に示された重要な心理的資本の要素HERO(Hope、Efficacy、Resilience、Optimism)を網羅している。


日 時:2024年11月9日(土)14:00-16:00(オンライン開催)
テーマ:複雑な社会におけるAIの力: メンタルヘルスと主体性の探求
講 師:佐藤 陽氏(富士通株式会社 富士通研究所
       コンバージングテクノロジー研究所、当学会会員)

HIS・Psytech共同研究会 会合報告(2023/8/19) [開催報告]
テーマ:「マイナンバー制度の問題点と解決策(私案)」
日 時:2023年8月19日(土)14時00分〜16時20分
場 所:専修大学 神田キャンパス7号館 8階784教室
講師:八木晃二(情報システム学会常務理事、専修大学経営学部や慶応義塾大学理工 学部非常勤講師)
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