ISSN 1884-2135
情報システム学会誌
JISSJ Journal of Information Systems Society of Japan
第 4巻 第2号
Vol. 4, No. 2
[巻頭言]
- 著者
- 杉野 隆
- 表紙
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[論文]
- 著者
- 鹿島 鉄雄
- 表紙
- pdf
- 要旨
- 近年,都市銀行の合併に伴うシステム統合など大規模プロジェクトの破綻が頻発している。そのために社会的経済的な混乱が発生しその影響はますます増大している。プロジェクトの成否の鍵を握るのはプロジェクトマネジャである。そこで,プロジェクトマネジャに本当に必要な知識や能力は何かを研究した。従来から多くの企業などでプロジェクトマネジャ向けの教育が行われてきたがその内容が適切であるかの検証は,あまり行われていない。それはプロジェクトマネジャに真に必要な知識や能力が何であるかの具体的かつ客観的なデータが見あたらないからである。そこで筆者が担当した18のシステム開発事例から開発に重大な影響を与えた要因などを抽出し,分析・評価した。その結果,先行研究などで主張されてきた教育内容はほぼ妥当であることが確認出来た。また技術的な側面よりも経営的な側面がプロジェクトの成否に与える影響が大きく,プロジェクトマネジャにはその知識や能力が不足していることが判明した。本論文では分析・評価の方法とその結果について述べる。
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[論文]
- 著者
- 家田 信吾,古橋 武
- 表紙
- pdf
- 要旨
2006年3月に平成の大合併が完了し,地方自治体においては住民サービスの向上とコスト削減を両立すべく,全国各地でシステムの再開発や共同利用の取り組みが行われている.2003年には札幌市においてわが国で初めての自治体コールセンターが設置されて以来,全国各地で自治体コールセンターの設置や共同化の検討が進められている.しかし,これまでの自治体コールセンターの評価基準は,サービス提供者側の選定基準が中心であり,利用者の立場に立った基準にはなっていない.そこで本論文では,市民サービスを「迅速」かつ「正確」に提供するための市民の立場に立った自治体コールセンターの評価基準を提案する.自治体コールセンターのモデル化を行い,提案した評価基準を用いて定量的な評価を行うことにより,市民サービス向上を進めることができることを示す.
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[論文]
- 著者
- 福田 浩章,山本 喜一
- 表紙
- pdf
- 要旨
- ウェブアプリケーションは必要不可欠であり,我々は目的に応じて適切なウェブアプリケーションを利用している。それらのウェブアプリケーション開発では,一般にデザイナがHTMLやCSS,画像などを利用して画面を設計し,開発者がビジネスロジックを実装する。また,ソフトウェア開発者は実行するロジックの結果によって動的にHTMLタグを構築するため,デザイナが作成する画面に手を加える必要がある。したがって,画面の変更が発生すると,デザイナだけでなく開発者の手も煩わすことになる。そこで本論文では,デザイナと開発者の作業をソースレベルで完全に分離するFlexベースのフレームワーク,Camel の提案および実装を行う。そして,実際にCamel を用いたアプリケーションを構築することによって有効性を示す。Camel によって,画面に変更が生じた場合でも開発者の手を煩わすことなく,変更前の動作を保障するアプリケーション開発が可能になる。
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[特別講演]
- 著者
- 泉田 裕彦
- 表紙
- pdf
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[論文]
- 著者
- 浦川 豪,林 春男
- 表紙
- pdf
- 要旨
- 平成16年6月14日に“武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律”(以下,国民保護法)が国会で可決され,成立し,同年9月17日に施行された。地方公共団体は,国民保護計画を作成することが義務付けられた。本計画で想定されている危機事態は,「武力攻撃事態」と「緊急対処事態」であり,地方自治体の実務者にとっては未経験の事態想定となっている。本研究では,地方公共団体の実務者が,有事の際に効果的な危機対応を実行するために本計画について持つべき視点を具体的に述べるとともに,国民保護計画における危機対応業務の分析を具体的なフィールドで実務者と協働で行い,危機対応業務分析結果に基づくプロトタイプシステムを開発した。本研究の成果物である国民保護計画における危機対応の考え方と業務分析結果,開発したプロトタイプシステムとその開発プロセスは,今後地方公共団体を中心として実施される国民保護計画に係わる取り組みの具体的な方策を示すものであると考えている。
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[論文]
- 著者
- 草野 成一,山崎 元也,堀 隆一,保田 敬一
- 表紙
- pdf
- 要旨
- 突発的な損傷対応の増加に対応していくためには,現在の保全計画を更に精緻化して,改良計画の精度を向上していく必要がある。本研究では,定期的な路面性状調査結果から現状分析を行い,保全計画精緻化のためのフレームワークを構築した。そして,道路構造体やその他損傷要因となりうるデータをJHDMに準拠した舗装保全情報データモデルとして検討した。そのデータを用いて舗装支援システムを構築し,従来の路面損傷評価手法(管理水準)による修繕計画箇所以外で,日常点検において発見される構造的な路面損傷箇所についての損傷原因究明やデータ分析を行うための機能を検討・検証する。
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[解説]
- 著者
- 松本 秀之
- 表紙
- pdf
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