セッ ション:「企業システム」

ENP-01「現場に適した日程 計画システムの構築について」

     市来嵜治1志村和彦1矢野浩二2高宮智2、道用大介3、山本伸幸1、金沢孝1

      (1慶應義塾大学大学院理工学研究科、2味の素株式会社、3青山学院大学理工学部)

【概要】近年、製造業においては、ニーズの多様化にと もなう品種数の増加や頻繁な需要変動などが起こっている。本研究で対象とした工場の製造現場でも、このような状況に対応するために都度日程計画を変更する 必要に迫られているが、その際に段取替えや生産のキャパシティなどの制約条件を考慮しながら、過去の経験などを頼りに計画しており、多大な労力がかかって いた。このような状況を、情報システムを用いて改善するにあたり、どのような観点でどのように進めるかについて、実践の結果をもとに考察する。

 

ENP-02 現場主導型システム構築プロセス

    〜電子部品組立工場の進捗管理システムにお けるケーススタディ〜」

道用大介1,市耒嵜治2,山本伸幸2,高野武彦3,金沢孝2

(1青山学院大学 理工学部,2慶応義塾大学 理工 学部,3ミスズ工業株式会社)

【概要】生産現場の管理者や計画者には様々情報が必要 であるが、その情報は現場担当者によって手作業で作られている場合も多い。本研究では、生産現場でMicrosoft Excelがよく用いられていることから、開発言語にMicrosoft Excel VBAを用いることによって現場担当者とシステム開発担当者 との意思疎通がスムーズになり、現場主導で継続的改善を行いながらユーザ視点のシステムを構築した事例を紹介する。

 

ENP-03加工食品工場に於けるトレーサビリティシステムの構築

     高山 勇(キュピー(株))

【概要】食品の安全性を担保し消費者の安心を得ようと する目的でトレーサビリティシステムを導入する企業が増えている。トレーサビリティは製品から使用原料を遡及するトレースバックと使用原料から生産履歴、 製品出荷先と追跡するトレースフォワードがある。しかし本来、安全な食品を製造する為に事故未然防止システムを構築し、その作業履歴データを保存して、消 費者からの問い合わせに迅速に答えたり、使用原料でクレームが発生した場合、生産履歴、出荷履歴から迅速に範囲を限定し、被害を最小限に食い止める事が重 要である。10数年かけて自社開発を行い実績のあるシステムを発表す る。

 

ENP-04建設分野におけるライフサイクルデータマネジメントシステム

     辻原志朗(LCDMフォーラム)

【概要】ライフサイクルデータマネジメント(以下、LCDMという)は、対象物の生産過程のみならず、完成後の維 持管理などを含めたライフサイクル全体にわたるデータ共有・システム統合の実現を目指す概念の総称である。LCDMフォーラムでは、建設分野をターゲットとして、この概 念を実現するためのメタデータを活用した情報基盤の検討を進めている。本発表では、その取り組み内容、情報基盤であるLCDM流通基盤の基本仕様、課題等について発表する。

 

ENP-05製品ライフサイクル管理実現のための情報共有基盤

     菅又久直(次世代電 子商取引推進協議会)

【概要】食品の安全危惧、情報機器や家電製品の不具 合、環境負荷物質の漏洩等、日々の生活を脅かすリスクを軽減させるには、製品の製造・流通・保守・リサイクル全般にわたるライフサイクル管理が必須であり ながら、それを実現できる事業者間の情報共有への取り組みは緒に着いたばかりである。当発表では、製品ライフサイクル管理のための情報モデルの試作と情報 共有のためのメタデータ管理の仕組みにつき報告する。

 

ENP-06高可用性グリッドシステムのノード配置に関する研究

     山田博之(北海道大学 大学院情報科学研究科)

【概要】社会を担う情報システムは、重度な障害に対し てもシステムが稼働し続けることが求められる。このような高可用性を実現しうるグリッドシステムは、システム内に構成される大多数のノードが適切に配置さ れていなければ高可用性を実現できない。本研究では、高可用性グリッドシステムのノード配置を検討するために、高可用性を持つシステムのモデル化および、 可用性の指標であるシステムの稼働率を計算するためのシミュレーション手法を提案する。そして、高可用性グリッドシステムのノード配置について、前記のシ ミュレーション手法を用いて検討する。