情報システム学会 メールマガジン 2009.5.25 No.04-2 [4]

理事が語る 「佐伯胖先生の昨年のご講演を振り返って」

乾 昌弘(オージス総研)

 当学会の理事をいたしております、オージス総研の乾です。
 私は今から約20年前に教育システムの研究開発をしておりました。当時はAIやマルチメディア技術を用いて、何とかテキストベースだったCAIをより役立つものに変えようとしていました。「電力系統操作訓練システム」「音声認識を用いた英会話学習システム」「インターネット用いたグループ学習システム」などのプロジェクトに参加いたしました。学会の論文誌に投稿するためには、単に新しいシステムを開発したというだけではなく、教育効果がどの程度あるかを、実証実験と教育学(認知科学)の面から評価する必要がありました。ですから教育学関係の本を読んだり、会社から近い大阪大学人間科学部に出入りしたりしておりました。
 その中で出会った本が、佐伯先生(当時:東京大学教育学部教授、現在:青山学院大学社会情報学部教授)が書かれた「コンピュータと教育」です。もう手元にはないので、内容の御紹介はできませんが、非常に感銘を受けた記憶があります。幸いなことに、昨年の本学会の総会で初めて直に講演を聞くことができ、感激いたしました。ピアジェやヴィゴツキーの最近接発達領域など懐かしい言葉も聞くことができました。
 当時の阪大人間科学部で、中原淳さん(現在:東京大学准教授)のお話も聞きましたが、最近、佐伯先生が東大生時代の恩師であることもわかりました。
 さて、来る7月11日(土)に第2回シンポジウムが開催されます。
 ここで、再び佐伯先生が基調講演をされますのでぜひ、ご参加をお願いします。その前に昨年の基調講演を読み返していただくと、興味が倍増するのではないでしょうか?
**「佐伯先生の講演録」(PDF形式)は・・・
http://www.issj.net/journal/jissj/Vol4_No1/A2V4N1.pdf