情報システム学会 メールマガジン 2007.7.25 No.02-04 [3-1]

グローバル・アライアンス(GA)研究会活動報告

主査 槇本健吾

 前号のメルマガにて、Interop 2007 TokyoにCBA社の出展(カナダ大使館後援にて)の運びとなったことについて御報告させていただきました。その後の展開について概要をお伝えしたいとがんが得ております。海外企業とアライアンスを計画される際の参考になれば幸いです。

<Interop 2007とその後の展開について>

 カナダ大使館の支援により実現したInterop 2007への出展です。

<<Interop 2007>>

 隣のブースにはNTTドコモとの提携があるBlackberry製品が陳列され、 もう一方には、3D顔認証のバイオスクリプト社(実際にはバイオスクリプト社が3D顔認証技術のリーディングテクノロジを有するA4社を買収し展開中)の製品が並んでいました。カナダ大使館後援ブースは、会場では小さなスペースながら注目度の高いブースとなりました。

 カナダ大使館は現在カナダ製のソフトウエアを日本で積極的に販売するため様々な取り組みを行っています。
カナダにとって、日本は、アメリカに次いで二番目に大きな市場だからです。 従来は、Intelのダイアロジック社の音声ボードなどのハードウェアの輸出が多かったのですが、ダイアロジック社もIP電話用のインターフェースとしてHMPを位置づけ戦略推進しているため、日本へのソフトウエア製品の輸出割合が高まっている傾向があります。

 このような背景の下、CBA社が日本総代理店となったカナダのプロネクサス社の(販売する)VBVoiceは、ダイアロジック社のHMPを使ったテレフォニーシステム、マルチメッセージングシステムなどの開発を行うためのGUI開発ツールです。今後、大企業だけではなく中小企業を中心に需要が見込めることがわかりました。

 Interopの前のカナダ大使館でのラウンドテーブルでは、カナダと取引のある企業経営者との会議に参加し、日本でのソフトウエア販売の課題などに関して話し合いました。
 とりわけ日本市場でソフトを販売するには、ローカライズだけでなく、どうしてもカスタマイズが避けられないこと、この点は、欧米のようにカスタマイズしないでパッケージソフトをそのまま使用することに抵抗のないユーザーと、カスタマイズ志向の日本ユーザーの違いが明確であるとの意見の一致をみました。

 ブースを展示したことにより、カナダと取引のある日本企業に関心を持っていただいたことに加えカナダのソフトフォーン開発会社などとの横のつながりも構築できました。アライアンスがアライアンスを呼ぶような連鎖効果です。

 Interopにはカナダのプロネクサス本社からの代表者も駆けつけた為、情報の収集、情報の共有などが円滑に行えました。

 また、代理店契約書のなかに、源泉税に関する処理の仕方についてあらかじめ含めておいた方が良い点にも気づかされました。

<<Interop後の展開>>

 現在、日本企業のフォローアップをしておりますが、Interopを境に問合せが急増しています。

 カナダのプロネクサス社のセールスチーム+テクニカルチームと、CBAのセールスチーム+テクニカルチームは英語でシームレスに連携して、日本のユーザーからの質問に対して答えてサポートを行っています。
 カナダと日本では時差がありますが、24時間から遅くとも48時間以内にはすべての回答を行うことが現時点まで実現できています。コミュニケーションが円滑な為、同じビルの同じフロアーで仕事しているかのような錯覚になるような連携が実現できています。